現場での証拠収集

自分で録音して証拠を集めるのは合法?オフィスでの録音による証拠収集は違法になる?証拠収集のコツとテクニックを学んで、自分の裁判に勝つための準備を

「また夫が浮気したんです。調査員を派遣して証拠を集めてください!」

ある焦った様子の奥様が一統探偵社に来社し、率直にこう依頼してきました。実は、彼女の夫の浮気は今回が初めてではなく、過去にも何度か弊社が浮気調査を行い、訴訟で勝利し、多額の和解金を獲得してきました。にもかかわらず、夫婦はまるでお互いに役割を演じるかのように、浮気・調査・和解金支払いというパターンを何度も繰り返しているのです。

今回のご依頼では、依頼者自身が「探偵気分」を楽しんでいるようで、自分で収集した録音データを持参し、その調査方法について得意げに語ってくれました。しかし、録音内容を聞いてみると、法に触れる可能性があるとすぐに分かりました。このような証拠が裁判で使えないばかりか、「秘密を侵害した罪」に問われるおそれもあるため、私たちはすぐに依頼者に注意を促しました。最後には被害者どころか、加害者として扱われてしまう危険性があるのです。

後日、依頼者から「自分で証拠を集める際には何に注意すべきなの?」、「隠し撮りの証拠は合法なの?」、「秘密侵害罪に該当して証拠不十分とされることはあるの?」といった質問を受けました。

一統探偵社では、依頼者の皆様に「自分で証拠を集める際には多くの細かい点に注意が必要」であると強くお伝えしています。注意を怠ると、相手に警戒され証拠収集が失敗するばかりか、自らの立場を危うくすることにもなりかねません。「敵に塩を送る」ような結果にならぬよう、冷静で慎重な行動が重要です。

証拠収集が必要なケースとは?

証拠収集が特に必要とされる代表的な案件は以下の通りです:

  • 配偶者の浮気(配偶者権の侵害)
  • DV(家庭内暴力)
  • 医療ミスや医療トラブル
  • 住宅の雨漏り・隣人の騒音
  • 交通事故のトラブル
  • 著作権侵害
  • 賃貸住宅でのトラブル
  • 詐欺被害
  • 脅迫・恐喝被害
  • 民事訴訟における紛争
  • 刑事事件における違法行為
  • 国家賠償請求
  • 非訟事件での交渉

現場での証拠収集には、録画・録音の「証拠能力」が不可欠!?その理由を一統探偵チームが解説します!

「証拠能力」とは、「物品」「録音」「録画」などが証拠として犯罪事実の認定に使用できるかどうかを意味します。法律用語辞典によれば、我が国の刑事訴訟法第154条第2項には「犯罪の事実は証拠によって認定しなければならず、証拠がなければその事実を認定することはできない」と明記されています。これは「無罪推定の原則」を示すものであり、証拠が不十分であれば有罪とならないことを意味します。

同様に、民事訴訟においても証拠調査は非常に重視されます。訴訟が提起された後には準備手続が設けられ、原告・被告の双方が証拠を提示することになります。たとえば、「配偶者権の侵害」や「住宅の漏水・騒音問題」などを理由に民事訴訟を起こす場合、自らが浮気や漏水の事実を立証しなければなりません。証拠が不十分であれば、裁判に敗れる可能性が高く、精神的にも経済的にも損をしてしまうことになります。

そのため、一統探偵社では、国民一人ひとりが最低限の証拠収集の知識を身につけておくべきだと考えています。チャットアプリのメッセージ、録音、録画、証人の証言など、すべてにおいて「証拠能力」を理解しておくことが必要です。

このように、証拠は刑事・民事問わず、裁判において非常に重要な役割を果たします。そのため、探偵社が現場で証拠を収集する際には、録音機器や録画機器を活用し、発生中の違法行為を記録します。これらの証拠は、後の法廷での主張や交渉において有力な材料となります。たとえば、現場での不貞行為の現認(破門・現場押さえ)や、尾行・隠し撮りといった場面がよくある例です。

よく聞く「同意なしの録音は無効で、秘密侵害罪にあたる」というのは本当なのでしょうか?

時間をかけて収集した証拠品に「証拠能力」があるかどうかは非常に重要です。もし、録音や録画を多大な労力をかけて取得したにもかかわらず、法廷で証拠として採用されなければ、時間と労力が無駄になるだけでなく、訴訟が不利になり敗訴する可能性もあります。そのため、探偵社では証拠収集の際、取得方法や関連する法律条文に特に注意を払い、得られた音声や映像に証拠能力があることを確保すると同時に、調査員自身が逆に告発されることのないよう保護しています。

一般の方が自ら録音・録画した証拠が、民事・刑事それぞれの訴訟で証拠として認められるかどうかは、適用される法律や判断基準が大きく異なります。

  • 【刑事事件の場合】

    録音が刑事事件で証拠として認められるかどうかについては、実務上、見解が分かれています。一部の裁判官は、録音に「任意性(録音中の発言が強制や脅迫によらず自発的であること)」があれば、証拠として採用可能としています。一方で、録音が刑法の「盗聴罪」や「通信の秘密に関する法律」に違反していないかどうかを基準にする裁判官もいます。
    刑法によれば、正当な理由なく他人の非公開な活動、発言、会話、プライベートな身体部位を、道具や機器を使って覗き見・盗聴・録画・撮影した場合、「秘密侵害罪」に該当します。また、他人の通信を違法に監視すれば「違法盗聴罪」となります。ただし、「盗聴罪」には免責規定があり、自分がその通話の当事者であるか、通信者の同意を得ており、不法な目的でなければ録音が認められます。
    つまり、証拠収集においては、相手の発言を強制や脅迫で引き出していないか、他人の通話を盗聴していないか、また正当な目的で行っているかどうかを確認することが重要です。そうでなければ、せっかく苦労して得た録音・録画が証拠として認められないばかりか、違法行為として扱われる可能性もあります。

  • 【民事事件の場合】

    刑事事件に比べ、民事訴訟では裁判官が「信義誠実の原則」、「適正手続の原則」、「違法に取得された証拠が他人の権利に与える影響の重大性」をもとに、録音の証拠能力を判断します。簡単に言えば、「証拠収集の手段と目的のバランス(比例原則)」がポイントです。
    例えば、利益を得ることが目的で、長時間にわたって相手の会話を監視・録音したような場合、正当な目的がないと判断され、憲法で保障される権利を侵害しているとされる可能性があり、その証拠は無効とされることがあります。

民泊に滞在する際、その民泊が合法かどうか考えたことはありますか?違法な民泊に対して、どのように証拠を集めればよいのでしょうか?録音による証拠収集は合法なのでしょうか?

一部の民泊施設は、法的に認可された民泊経営ではなく、違法な「日貸しマンション」として営業しています。こうした施設には観光客が頻繁に出入りし、夜通し騒ぐことも少なくなく、地域住民の生活に支障をきたす事例が各地で問題となっています。

実際に自宅周辺で騒音や環境破壊などの問題がある場合には、録音や録画によって証拠を収集し、管轄の行政機関に通報することができます。加害者は《マンション・アパート管理条例(公寓大廈管理條例)》に基づき罰則を受けることになりますし、違法営業であれば当然ながら取締りの対象となります。

また、環境が良く、部屋が清潔、室内温泉付きとうたっている民泊も少なくありませんが、実際に現地に行ってみると、部屋は湿気だらけでカビ臭く、「室内温泉」は老朽化し、排水口はひどく錆びついているといったケースもあります。こうした場合、現地の写真を撮って記録を残し、ネット広告と比較することで、「虚偽広告」の疑いを立証することができます。

録音・録画による証拠収集についての話はここで一旦区切り、冒頭で紹介した依頼者の事例に戻りましょう。あの奥様は、夫の不倫の証拠を得るために長期間・広範囲にわたって夫の携帯通話を盗聴し、さらに夫と会社の部下が話す業務機密まで入手してしまいました。これは明らかに民事事件における証拠収集の「比例原則」を逸脱しており、最終的には証拠が無効になる可能性が高く、さらに「秘密侵害罪」や「盗聴罪」に問われる危険性もあります。

そのため、もし調査に関する問題がある場合は、まず専門家の意見を仰ぐことを強くお勧めします。証拠が無効になるだけならまだしも、法律に触れてしまうと大変な事態になりかねません。一統探偵社には、専門の調査員と法律顧問が在籍しており、関連する調査についての無料相談も受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。